Q
営業保証金から還付を受けることができる場合として、どのような例がありますか?
A
営業保証金から還付を受けることができるのは、「宅建業者と宅建業に関し取引をした者」が有する「宅建業に関する取引により生じた債権」に限られます。そこで、「宅建業に関する取引」にどのようなものがあったかを確認してみましょう。
宅建業(宅地建物取引業)における「取引」とは、
・自ら売買・交換を行う
・売買・交換・貸借の代理を行う
・売買・交換・貸借の媒介を行う
ことでした。
したがって、還付を請求できる者(還付請求権者)としては、
・宅建業者と売買・交換契約を行った者
・宅建業者に売買・交換・貸借の代理を依頼した者
・宅建業者に売買・交換・貸借の媒介を依頼した者
が考えられることになります。
このような者が、上記の取引に関して宅建業者に債権を有するようになって、宅建業者が支払ってくれないのであれば、それが「還付を受けることができる場合」ということです。
具体的には、
・宅建業者に土地を売ったのに代金を払ってくれない。
←売主は、宅建業者に対して代金支払請求権を有しています
・宅建業者から土地を買って代金を払ったが、何らかの理由で契約が解除された。しかし、宅建業者は代金を返してくれない。
←買主は、宅建業者に対して代金の返還請求権を有しています。
・宅建業者に土地の売却の代理を依頼して土地を売ってもらったが、宅建業者が買主から受け取った代金を渡してくれない。
←売主は、代理人である宅建業者に対して代金を引渡すよう請求できる権利を有しています(委任契約から生じる権利義務関係)
・宅建業者に土地の買受の媒介を依頼して売買契約を締結したが、虚偽の説明を受けて被害を被った。損害賠償を請求したが、払ってくれない。
←買主は、宅建業者に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を有しています
などが考えられます(ほかにも様々なケースがあるでしょう)。
以上が、「還付を受けることができる場合」の例ですが、実際の試験では「還付を受けることができない場合」がよく出題されます。
試験対策としては、テキストや過去問で「還付を受けることができない場合」のほうを押さえ、「還付を受けることができる場合」については、イメージがある程度できれば、「宅建業に関する取引により生じた債権」を有する者が還付を受けることができる、とだけ覚えておけばよいでしょう。
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